Archive for 7 月, 2008

トラムの走る街角

Daisaku on Jul 15th 2008

いま個展を開催している Friedrichshain のギャラリーの辺りには雰囲気のいいカフェなどが散在していて実に居心地がよいのだが、トラム(路面電車)の停留所があちらこちらにあって、気が向いたらちょいと手軽に、普段とは違った視点から街を眺めてみることができるのも嬉しい。トラムの窓からは、飾らない生活が見える。
ベルリンのトラムの歴史は19世紀に遡るが、現在その路線のほとんどは、分断の時代に東ベルリンとなった地区を走っている。西ベルリンの方では車の波に呑まれたのか70年代を待たずに路線網は全廃されてしまったのだが、近年西ベルリンであった地区へと延伸された路線もあって、ベルリンのトラムは再び脚光を浴びはじめた。
ギャラリーを出て南へ歩く。三角形の公園のそばに立つ停留所からトラムに乗りこむ。車窓を眺めながらいくつか先、初めての街角で降りてまた歩き、風通しの良さそうなカフェの窓際の席に座る。注文を伝えてふと外を見た丁度その時、明るい黄色のトラムが軽々と通り過ぎ、向こうの角を曲がっていった…。

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Ostkreuz

Daisaku on Jul 8th 2008

先日、ベルリン在住の Masato さんのブログ「ベルリン中央駅」にて、開催中の私の個展 “Illusions of the Sea” をご紹介いただける機会があった。記事からはギャラリーのある Friedrichshain 地区の雰囲気がよく伝わって楽しいのだが、なかでもSバーン Ostkreuz 駅周辺の様子が興味深い。
1920年代からその姿を大きく変えていないという駅施設や黒く聳え立つ給水塔は独特の魅力を放つ。周囲に散在する廃墟や空き地の佇まいにも不思議に惹きつけるものがあり、ベルリンを訪れる度なぜか足を運んでしまう。
写真は、駅の南東に広がる空き地で今年の5月に撮影したもの。ここはガラス工場であったらしい(1932年の地図には “Strain-Glashötte” とある)。左の建物の1階部分には荷役のためのプラットフォームと引込線のレールが残されている。東に隣接する敷地には “Engelhardt-Brauerei” というビール工場の跡(”Flaschenturm” -「瓶の塔」の異名をとる。1990年代まで生産が続いたという)があるから、そのためのガラス瓶を生産していたのかもしれない。
引込線跡は踏み分けられて歩道となり、散歩やジョギングを楽しむ人々が通り過ぎる。役目を終えた Flaschenturm では、演劇の公演も開催されたと聞く。不安の暗雲の下に文化の爛熟をみた1920年代から、流転する時代を見つめ続けた建物達。右を見ても左を向いても工事中のベルリンの片隅にうずくまる彼らに、これからはどのような運命が待つのだろうか。

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